吉谷木工所について
奈良県吉野郡下市町の吉谷木工所では、三宝・神具の製造及び販売をさせていただいております。創業は明治43年になり、神様への供物や献上品を恭しくのせ、お正月には鏡餅、お月見には月見団子をのせるものとして、日本人の暮らしに親しまれてきたのが三宝です。ここ下市町では、”三宝”は「さんぽう」ではなく「さんぼう」と呼んでおります。
三宝の材料は良質の吉野檜(ひのき)です。
丹精込めて育てられた檜は、木目の縦の線が端正で、色艶がよくて光沢があます。
他の地域の檜に比べ、吉野檜は色合いの美しさが特徴的だと言われています。
まさに神饌などを供える器にふさわしい品格があるように思います。
三宝の製作に檜が選ばれた大きな理由は、木の持つ粘りけです。
この粘りがあることで、のこみちを入れた背板は、力を入れずとも美しく曲がります。
これからの時代は新しい事へのチャレンジも含め、吉野の誇る三宝の本筋はしっかり守りながら、時代のニーズに応えていく方向です。
昭和36年 | 奈良県吉野郡下市町生まれ。吉谷木工所の6代目。 |
平成29年 | 大和三宝工業協同組合理事長に就任。 |